生徒から生の声・授業の作り方を公開<日本・アフリカ・中米を繋ぐ、約700人の高校生に向けたオンライン国際交流授業>

コートジボワールとベリーズに中継を繋ぎ、リアルタイムで交流しました

当社は、2015年よりフルリモート前提で創業し、現在、400人が日本全国・世界33カ国からオンラインで業務を遂行しています。
令和3年6月7日、8日に熊本県のルーテル学院高等学校の1年生、2年生合わせて約700人の高校生に「総合的な探究の時間」の一環として国際交流授業を開催いたしました。
海外でボランティア活動をしながら仕事をする当社コートジボワール在住メンバーと、ベリーズ在住のメンバーが、現地の子どもたちと熊本県のルーテル学院高等学校の生徒たちをオンラインで繋ぎ、交流を図りました。この授業は高校生たちが現地の様子をリアルタイムで感じることで、高い興味関心を持って主体的・対話的で深い学びの視点からの効果的な授業を提供していくことを目標にしています。
授業後にルーテル学院高等学校の皆様より様々な声をいただきましたので、公開いたします。今後の生徒たちの生き方や考え方を見つめ直すきっかけの授業となったことをお知らせいたします。

概要

オンライン国際交流授業 ~コートジボワールとベリーズに中継して現地メンバーと交流~

 ◆開催日時
6月7日(月)8:50~9:40 
6月8日(火)8:50~9:40 

◆実施校 
ルーテル学院高等学校
6月7日(月)高校2年 10クラス編成 356名
6月8日(火)高校1年 9クラス編成 358名

◆東京都(株式会社ニット)、熊本県(ルーテル学院高等学校)、ベリーズ、コートジボワールの4拠点をオンラインでつなぎました。 

◆当日の様子はこちら
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000179.000059127.html

【ルーテル学院高等学校様側】オンライン国際交流授業開催までの流れ


3-4月:実施したい内容・企画の共有(探究委員会)4-5月:校内での会議
4月末:教員への概要の説明
5月中旬:Zoom使用方法についての教員向け説明会・ニットとの接続チェック、打ち合わせ
5月下旬:当日の要項作成・校内での役割分担の確認
6月初旬:各教室を使った接続確認、機器設置調整
前日:機器確認
当日:朝の情報共有
実施後:(2日目の実施となった1年生のみ)前日の状況を見て、改善点の洗い出しと情報共有

上記の内容に加えて適宜、ニットと本校担当者とのZoomミーティングを行い、授業内容のすり合わせ、本校としての授業の目的の確認、実施に向けての詳細について、情報共有をしました。

【ニット側】オンライン国際交流授業開催までの流れ

3-4月:本企画の全体設計
4月:海外メンバーでの参加者募集告知
4月下旬:コートジボワール・ベリーズの参加が決定→授業内容を設計
5月初旬:現地の方との調整・ナレーション設計・動画撮影
5月中旬:ルーテル学院高等学校の先生方との接続チェック、打ち合わせ
5月下旬:運営側の役割分担、入念なリハーサル
前日:機器確認
当日:オフィス組・海外組での情報共有
実施後:(2日目の実施となった1年生のみ)前日の状況を見て、改善点の洗い出しと情報共有

今回、時差(コートジボワール9時間、ベリーズ15時間)があったため、当日の流れをリアルにするのか?動画を流す形にするのか?ということが最初の議論ポイントでした。また、天候などへの配慮、通信環境が不安定になる可能性を考慮して、フォローできる体制を組んで、実行いたしました。
ルーテル学院高等学校様にも、700人を超える人数の接続となるため、どのようにしたら通信が途切れることなく実行できるか?ということをご提案しながら実施にまで至りました。

ルーテル学院高等学校の生徒様の声

◆6/8(火)の授業を受けた高校1年生の声

コートジボワールのインタビューでは「たくさんの民族が混在しているが、お互いに理解して仲良くしている」というところが心に残りました。私はよくニュースを見ますが、最近、人種差別が原因で起こった事件の話をよく聞きます。人種が違っていても考え方や性格は育った環境で決まるものだと思うので人種で判断するのは違うと思います。

その中でもお互いに理解し合っているのはとてもいいことだと思います。たくさんの国でもそういう考えが広まってほしいです。

ベリーズでは、流行っていることの話や夢について聞けて良かったです。コートジボワールでもそうでしたが、弁護士、看護師、先生などの社会にとって重要な役割を果たす仕事になりたいという人が多いことに驚きました。頑張ってほしいと思いました。

◆6/7(月)の授業を受けた高校2年生の声

ベリーズでもコートジボワールも、日本とは違い、様々な人種の人たちがいる中で、差別をせずに共存しているということがとても心に残りました。Broken Englishといったものがあったり、おいしそうな伝統料理があったりと、自分が知らないものがたくさんあっておもしろかったです。いつか訪れてみたいと思いました。また日本のアニメやマンガは人気だということが改めて分かりすごいなと思いました。そしてコートジボワールでは下の子たちの面倒を見なくてはならないなどの理由で教育をうけられなかったり、交通も不便であったり、ベリーズでも経済的な理由から十分な教育をうけれなかったりと、日本で学校に通えることは当たり前のように感じていたけれど考えを改め、日々の生活に感謝しなければならないと感じました。
海外の方とオンラインで交流することが初めてで、どんな風になるのか分かりませんでした。リモートワークをしてる方の話を聞いて、たくさんの仕事の仕方があるんだなと思いました。一緒にいなくても、海外にいても仕事できることはとても効率が良いと思いましたし、今回のコロナ禍でも仕事ができる方法の1つですばらしいと思いました。また、今回の交流会の国の文化や現地の人の生活を教えてもらって、日本と違うところがたくさんあってとても感動して、いつか行ってみたいと思いました。

ルーテル学院高等学校 教員:渕上美江様からの感想

本校のポートフォリオには、当日の感想だけでなく、「参加する前の気持ち」を書く欄があります。多くの生徒が、この欄に、「Zoomで受ける授業は初めてなのでどきどきした」「楽しみだと思っていた」などと記入しており、実施前から期待を寄せていました。

当日生徒は緊張していた様子ですが、終始真剣に参加し、異文化に交流することで世界の課題や自分の課題につなげて受け取ってくれたようです。事後の感想では、特にコートジボワールからの動画に関する反響が大きかったように感じます。

また、2年生では、ニットの方々の働き方についても感想が及んでおり、新しい形の働き方や、キャリアについても学ぶ良い機会となりました。総合的な探究の時間の「情報収集・まとめ」のステップも、このオンライン国際交流授業の事前学習として機能し、事前に調べた内容と、実際に話を聞いてみたりした内容との共通点・相違点に気づいて考えを深めることができた生徒もいます。

日本国内の拠点を結んだZoom使用は経験があったものの、海外とこのような規模でオンラインでの交流をするというのは初めての事で、教員間の情報共有や、生徒をどのような形で参加させるか、当日の教員側の動きなど、なかなかイメージが湧かず、実施までは不安が大きい部分がありました。しかし、挑戦してみることで、オンライン授業への心理的なハードルが下がり、ICT教育の可能性を実感できる機会になったと感じています。

▼今回の授業を経て、次へつなげたいこと
今回、生徒の中ではこの授業を通して多くの気づきが生まれました。次はこの授業で学んだ世界の課題を、自分の課題として、落とし込むことが必要になってくると思います。今回の授業は国際交流の授業でしたが、国際交流をするだけにとどまらず、それを通して、探究に向けた様々な視点を身につけてほしいと考えています。また、社会には答えのない課題があること、自分の当たり前は当たり前ではないこと、様々な選択肢があることを知ることは、生徒にとって、これからの人生を生きていくうえで、非常に重要なことです。今回の授業を通して、生徒の思考を深めることができればと思います。

本校は1926年に創立された九州女学院が前身で、「日本に女子の教育を」という、北米の教会の女性会を中心とする、多くの方々の思いや支援によって建てられた学校です。「誰かの役に立ちたい」という思いが脈々と受け継がれて本校の今があります。そんな本校で学ぶ生徒だからこそ、視座を高く持ち、あらゆる学びで課題を解決し、社会貢献につなげていってほしいと思っています。

▼オンライン国際交流などの授業を検討されている学校様へのメッセージ

今回、生徒が得た気づきや視点は、現地の皆さんとのインタラクティブな交流の中で、実際に新しい知識や情報に触れたことによって生まれました。
コロナ禍の今、実際に海外へ行くことは難しい状況がありますが、リアルタイムで現地の方が自分たちのために話してくださっているということが、生徒にとっては新鮮かつ大変うれしい経験となったようです。
また、今回の交流を通して、自己を客観的に見つめ直し、心の成長につながった生徒も多かったと思います。本校もこのような規模で海外につながるのは初の試みでしたが、生徒にとっても、教員にとっても良い経験となりました。

ルーテル学院高等学校とは​

ルーテル学院中学・高等学校とは熊本県熊本市にある中高一貫の私立学校です。
キリスト教教育 学院標語「感恩奉仕」にもとづいた教育目標を立てています。
個性の育成ー新しい時代を生き抜くために必要な自己表現能力や自己決定能力を持った人間を育みます。
国際性の育成ー実践的英語能力を身につけ、自他の国々の歴史や文化を理解しようと努める国際的な人間を育みます。共生能力の育成ーあらゆる場面における問題解決能力を養い、ボランティア活動などを通して感恩奉仕の心を育みます。
HP:http://www.luther.ed.jp/hs/index.php


令和2年度「総務省テレワーク先駆者百選」に選出されました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000051.000059127.html

本件に関するお問い合わせ
株式会社ニット
広報担当:小澤/今西/阿久津
電話番号:050-5212-5574
メールアドレス:info@knit-inc.com